小森です。
腕振りが重要だとよく言われ、腕振りのコツとか正しいフォームとかを教わります。だけど、「何故腕振りが大事なのか」という部分は知らないままでいました。
結論から先に言うと、腕振りは重心のバランスを取る為の動作であったり、ランニング時の身体の捻じれを補正する為の動作である、と教わりました。
よく、腕振りが推進力を生む、と言われるけど、これは重心バランスを補正したり、捻じれる力を左右に逃がさず前に向ける事で、エネルギーが効率良く前に向くからです。
推進力を生むのは、腕振りができている結果で有り、メカニズム的な目的は身体の補正で有ります。
こういう事は学校の体育の時間では教わらない為(少なくても僕の世代では)、腕振り=推進力を生む為の動作、と認識している人が多いです。
実際、僕のチームはランニング初心者の集まりなのですが、全員が腕振りについて本来の目的を知りませんでした。
僕もその内の一人だったのですが・・・。
腕振りに対する初心者の認識
ランニング時、距離が長くなればなるほど腕振りの必要は無くなると思っている人は多いのではないでしょうか?
腕を振る事はエネルギーを使う事だと思っている人は多いと思うし、実際に腕振りを意識する事で疲れを感じる経験をした人も多いと思います。
だから腕振り=エネルギーロス、の認識が有って腕振りを軽く見る傾向があるのだと思います。チーム内で腕振りの話をした時には、みんなそういう意見でした。
こういう認識だと腕振りが大事だと言葉では知っていても理解する事は有りません。実際に腕振りを意識して疲れるわけだから。
じゃあ、腕振りは本当にエネルギーロスに繋がる動作なのか?
その部分について一歩踏み込んで色んな人に聞いたり、自分で検証してみました。
身体コントロールの為の腕振り
最初にも書いた通り、腕振りは推進力を生む事が目的なのでは無く、身体をコントロールする事が目的です。
当たり前の話だけど、人は走る時、右足と左足を交互に出します。その都度、下半身の重心は左右に振れます。だけど、上半身の腕を足と逆の方向へ振る事でコア・体幹の重心を安定させ、その結果左右へのエネルギーロスを抑えてエネルギーが前へ向きます。
もう1つ。
左右の足を交互に前に出す、という事は交互に身体に捻じれが発生します。人間の身体のメカニズム上、それは当然の事。その捻じれが一番に現れるのが骨盤の回転運動です。
その回転運動で発生したエネルギーはどうなるのか?
足を出す度に左右に捻じれ運動のエネルギーが振れていたら前に向かって走りたい人にとってはやっぱりエネルギーロスです。その骨盤の捻じれを相殺するのが上半身の腕振りになるわけです。厳密に言うと腕振りでは無くて肩甲骨の回転運動になります。
つまり、腕を振る、という動作は、腕そのものを振る事が目的では無く、肩甲骨を動かす事で骨盤の捻じれを吸収し、エネルギーを効率良く前へ向ける事が目的になります。
腕を振る事自体が目的になって、腕は振れているけど肩甲骨が動いていないようだと、本来の目的を果たせずにただのエネルギーロスの為の動作になってしまいます。
まとめ
腕振りという動作は、骨盤の捻じれを肩甲骨を動かして吸収する為の手段であって、目的では有りません。つまり肩甲骨が動かせていれば腕振りは小さくても構わないはずです。
また、肩甲骨を動かす事が目的と捉えてみると、腕振りに必要以上にエネルギーを使う事も無くなるかもしれません。案外、人間の身体は意識の持ち方によって同じ動作でもエネルギーの消費量が変わってきます。
僕自身は腕振りの目的を理解してから、腕を振る事での疲労感は減ったし、肩甲骨の運動に意識が行くようになり走りも随分とスムーズになったと感じています。
ぜひ、腕振りの目的は肩甲骨を動かして骨盤の捻じれを吸収する事、身体の重心バランスを取るという事を認識して、チームのメンバーにも効率的なランニングフォームを身に付けてもらいたいです。
小森
投稿者プロフィール

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2016年4月よりランニングを開始。
33歳からのスタートでどこまで行けるのか!?
【自己ベスト】
10Km 43:48 鈴鹿サーキット
ハーフ 1:34:27 お伊勢さんマラソン
フル 3:48:45 富山マラソン
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